バリーカレボージャパン株式会社（パスカル･ムルメステール代表取締役社長／群馬県高崎市）は、１０月２日（水）にベルギー大使館にて昨年初上陸したルビーチョコレート ＲＢ１を使用した新商品発表会を行った。
はじめにベルギー王国大使のロクサンヌ･ドゥビルデルリング氏より、「ベルギーを代表するチョコレートメーカーであるカレボーは、伝統を大切にしつつも革新的なチョコレートを作り出している」と挨拶があり、次にルビーチョコレートの市場でのこれまでの動きと今後の展開について、バリーカレボージャパン㈱マーケティングマネージャーの若林洋介氏から説明があった。若林氏は、同チョコレートが当初の予想の20倍売上げたとし、来春より発売する新商品を紹介した。
続いて、辻口博啓氏（ル ショコラ ドゥ アッシュ）と小山進氏（パティシエ エスコヤマ）によるトークセッションが行われ、それぞれルビーチョコレートについての思いや今後の商品展開についてコメントした。また、９月２７日（金）にサンフランシスコで、カカオ果実の70％が廃棄されているという現状を打破すべく「カカオフルーツ・エクスペリエンス」の一環としてカカオフルーツ100％で作られた新鮮でフルーティーな「WholeFruitチョコレート」が発表された事について言及した。辻口氏は「日本は廃棄が多く、サスティナブルへの対応が遅れている」、小山氏は「自店において循環型の菓子作りを行ってはいる」と述べた。なお、同商品は来年５月に世界同時発売するとしている。
次に、株式会社美十、株式会社ユーハイム、メゾンジブレーの代表者による、ルビーチョコレートを使った新商品について発表が行われた。江森宏之氏（メゾンジブレー）は、同チョコレートを使いベリーとのペアリングを楽しめるアントルメグラッセを紹介した。

＜クリックすると拡大されます。＞

＜クリックすると拡大されます。＞

当工業会賛助会員の山眞産業株式会社花びら舎（平出眞代表取締役社長／愛知県名古屋市）は、訪日観光客（インパウンド）が4000万人（政府目標）と言われるオリンピックイヤーである来年に向けて、インバウンドに人気の高い「日本」らしさ溢れる食材として桜や紅葉などを訴求している。
特に「桜」は、訪日目的の第4位に「桜鑑賞（花見）」が挙げられている事や、外国人にとっての桜は「春」というより「日本」を象徴するものとして、季節を問わず人気が高い。 桜を使った製品は、今や和洋菓子に留まらず、カフェや外食・中食業界でも顕著に伸びている。山眞産業花びら舎では、この機会を逃さずに、パッケージに日本を象徴する桜や富士山をあしらうなどの工夫を懲らし、桜や抹茶など日本ならではの食材を用いた商品開発やマーケティングにチャレンジして欲しいとしている。

■山眞産業花びら舎(や)の主な業務用桜製品

＜クリックすると拡大されます。＞

当工業会賛助会員の株式会社J-オイルミルズ（八馬史尚代表取締役社長／東京都中央区）は、8月21日（水）同社複合型プレゼンテーション施設「おいしさデザイン工房®」（東京・八丁堀）にて、今年2～7月に発売された新製品６種の試食会（発表会）を開催した。
試食会では同社ＣＳＲ・ＩＲ部長兼広報・ＩＲグループ長の岡村美和氏の開会挨拶に続き、フードデザインセンター次長兼ソリューション事業部の今義潤氏が「おいしさデザイン®」について説明。この中で今義氏は、5味に対する油の作用として、旨み・塩味・甘味を強め、酸味や苦味を和らげ、コクを高める働きがある事などを解説した。
この後は、同社油脂事業部家庭用グループ長の松谷宗浩氏、パート-ナー企業である太田油脂(株)開発・マーケティング本部の小野沙織氏、(株)Ｊ-オイルミルズ油脂事業部業務用グループ長の柏原章人氏、同社油脂加工品事業部長の丸川治氏が登壇して新製品について説明し、その後、会場を移して｢えごま油｣｢アマニ油」入りスムージーを始めとする、新商品を使用したメニューの試食会が催された。

■Ｊ-オイルミルズ2019年の新製品ラインナップ

新製品名	特長
味の素ブランド ｢えごま油｣｢アマニ油」100ｇ瓶（家庭用）	太田油脂(株)と共同開発した、オメガ３脂肪酸たっぷりの油。新鮮なうちに使い切れる小容量タイプ
味の素ブランド ｢軽くてあっさりしたオリーブオイル」910ｇエコペット（家庭用）	軽くてあっさりした風味でクセのない100％オリーブオイル。生食、炒め物、揚げ物に、いつもの油と同じように使用できる
「ラーマ®ソフト　こめ油入り」140ｇ（家庭用）	原料油脂中30％こめ油を配合したバター風味のファットスプレッド
「長調得徳®ヘルシータイプ」（業務用）	通常のサラダ油と比べ、酸価の上昇、油の着色、加熱時の劣化臭を抑制。揚げ物の衣の吸油率を抑え、カロリーと油っぽさを抑える
「お米から生まれたごはんのための米油　炊飯用」（業務用）	ふっくらして粒感の良い硬めのごはんが美味しく炊ける。米同士がくっつきにくいため、食品ロスの低減と作業効率が向上する
「Backaldrin（バッカルドリン）」ミックス粉5種：「コーンミックス」「ベジパン」「アロニアミックス」「クルクマミックス」「ヴィエネーゼケーキミックス」（業務用）	欧州総合製菓製パン素材メーカー、オーストリア・バッカルドリン社製のミックス粉。世界的に需要の高まりを見せるクリーンラベル、オーガニック製品を豊富に有し、おいしさはもちろん、(1)健康訴求、(2)安心な素材、(3)効率化といった市場ニーズにマッチしている。

＜クリックすると拡大されます。＞

ネスレ日本株式会社（高岡浩三代表取締役社長兼CEO／兵庫県神戸市）は、カカオ豆と「カカオパルプ」（カカオ豆の周囲を覆う白い果肉）を素材として使用する“カカオフルーツチョコレート”を日本のキットカットに導入し、この秋「キットカット ショコラトリー」の店舗と通販サイトで発売する。
カカオパルプはこれまで一般的に、カカオ豆を発酵させる際の糖分として利用されてきたが、ライチやパッションフルーツに似た優しい甘みを持つため、ドリンクやスムージーの原料として使用される事もあった。今回、カカオの新しい楽しみ方を提案するために実現した“カカオパルプを乾燥・粉末化し、砂糖の代わりにチョコレートに加える工程”におけるチョコレートの粘度調整・管理は、ネスレが特許を出願している。
こうして誕生した『キットカット ショコラトリー カカオフルーツチョコレート』は、芳醇な甘みと酸味が特徴。監修に当たったパティシエの髙木康政氏（ル パティシエ タカギ）は「カカオもフルーツの一つであることに着目し、カカオ丸ごとの美味しさを提供するイノベーション」と評価した。
銀座本店のカフェスペースでは「カカオフルーツチョコレート」の販売に先立ち、7月18日（木）から“カカオフルーツジュース”を使用したスイーツセット「ジュ ドゥ カカオフリュイ＆ライム グラニテ」（カカオパルプ100％ジュース＆ライムのグラニテ）を販売した。

＜クリックすると拡大されます。＞

当工業会賛助会員のヴァローナ ジャポン株式会社（ブルーノ・ボードリ代表取締役／東京都千代田区）は、9月2日（月）カカオ分75％のクーベルチュール「トゥラカラム」を発売した。
「トゥラカラム」（マヤ語で“一緒に”の意味）はカカオ栽培の起源の地域とされる中米ベリーズで、年間100トン程しか生産されない稀少なカカオを使用しており、力強いカカオ感とスパイシーな酸味の後に続くフルーティな味わいが特徴。カカオ分が高いため、乳化剤不使用でもさらっとして作業性が良く、コーティングを始め全ての製菓に幅広く使用できる。6月26日、7月2、3日に講習会を行ったMOFのダヴィッド・ブリアン氏は（本誌P.68参照）、「そのまま食べても十分に美味しいので、食材を多く使いすぎないのがお勧め。エポックメイキングと成り得るチョコレートです」と語っている。

＜クリックすると拡大されます。＞