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パティスリー ラヴィアンレーヴ / 北西 大輔 シェフ

冷凍できるショートケーキ

各φ15×h5cmのセルクル 1台分


「当店の冷凍ケーキの強みは、コンパウンドクリームなどが入らず動物性油脂だけで作っていること、また低脂肪の生クリームのため食べやすいことです。味の面でも、普通に食べておいしいと思える水準を保っています」とシェフ。生クリームを冷凍するには、高脂肪にするか、糖度13%以上にすることが必要だが、シェフは後者の手法を取り、その糖分のうち30%以上をトレハロースに置き換えている。また、解凍後食べるタイミングなどの注意事項も商品に同封して周知させている。

北西 大輔 シェフのもう一つのレシピを見る >

◆ ジェノワーズ

<A>
全卵・・・・・300g
グラニュー糖・・・・・100g
トレハロース・・・・・80g
薄力粉*1・・・・・150g
バター*2・・・・・40g
牛乳*3・・・・・50g

  1. <A>の材料を合わせて混ぜる。
  2. 薄力粉を加えて混ぜる。
  3. バターと牛乳を加えて混ぜる。
  4. オーブンシートを貼ったφ15cmのセルクルに入れ、上火180℃、下火160℃のオーブンで約25分間焼成する。
  5. 粗熱を取り、3枚にスライスする。
 

◆ 冷凍可能シャンティイ

生クリーム(35%)*4・・・・・700g
生クリーム(45%)*5・・・・・300g
トレハロース・・・・・80g
粉糖・・・・・50g
生クリームは、離水を防ぐことで冷凍可能になる。そのためには、
<1>
高脂肪(45%以上)の生クリームを使用する
または
<2>
糖度を13%以上にする
といった方法がある。通常のグラニュー糖で糖度13%以上にすると甘みが強過ぎるため、使用する糖分のうち、30%以上をトレハロースに置き換えている。トレハロースは離水を防ぐ効果がある他、通常、砂糖で感じる甘味度を100%とすると、38%程度に抑えることができる。

  1. すべての材料を合わせ、泡立てる。
 

◆ キルシュ・シロップ

シロップ(Be30°/下記参照)・・・・・200g
水・・・・・200g
キルシュ*6・・・・・40g

  1. すべての材料を合わせる。
 

◆ シロップ

水・・・・・1000g
グラニュー糖・・・・・1350g

  1. 材料を合わせて沸かす。
 

◆ 組み立て・仕上げ

イチゴ(生)※、ナパージュ・ヌートル
※解凍した際の食感が悪くならないよう、8等分程度にカットする。これにより、コンポートに近い感覚で食べることができる。生のイチゴの他、桃のコンポートなどを使用してもよい。

  1. キルシュ・シロップを打ったジェノワーズに、シャンティイを塗る。イチゴを並べる。
  2. [1]を繰り返す。
  3. ジェノワーズをのせる。シャンティイを上面と側面にナッペし、デコレーションする。
  4. イチゴを飾り付け、ナパージュ・ヌートルを塗る。
 

◆ 北西シェフが語る冷凍ケーキのメリット

<1>
商圏が広がる/対面せずに販売できる
インターネット上で販売できるため、お客様の層が自店の周囲2〜3kmから日本全国に広がります。今まで一番遠かったのは、北海道の離島で、配送に5日かかる所からご注文いただきました。また、新型コロナウイルスによる外出自粛要請の期間も多くの注文をインターネット上でいただき、対面販売での感染リスクを抑えながらも売り上げにつなげられました。
<2>
計画生産が可能になる
繁忙期の作業を前倒しで進行でき、労働環境の改善につながります。当店では、12月でも通常の月と同様の休暇が取得できますし、終業時間も午後6〜7時くらいです。また、冷凍ケーキを販売する以前の限界生産量を超えて出荷できるようになりました。生のケーキなら200台作るのがやっとですが、昨年は冷凍ショートケーキだけで1000台も販売できました。食品ロスの削減にもつながります。
 

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