UP

製菓ゼミナールの Recipe

Recipe Topに戻る

レシピ

Confectionery
Technological
Seminar

森永商事株式会社 / 植﨑 義明 シェフ

Pièce montée

ピエスモンテ


これまでの経験を活かして、制作上のポイントを説明しながらピエスモンテのデモンストレーションを行った。「準備にとことん時間をかけて、絶対に間違いの起こらないようなレシピ・工程を考えるのが、自分のやり方です。そして作業はシンプルに、スムーズに。使い慣れた厨房でなら120点が取れる程の準備ができなければ、初めての会場や什器で臨むコンテストで100点を取ることはできません」と植﨑氏。その技術の一部を紹介する。

◆ 型の準備

「特別なものでなく、100円ショップや量販店で買えるもの、厨房にいつもある材料などを使って、型や小道具を作ります。例えば円盤状のパーツを作る時、製菓用のセルクルを使うと、流す高さを計ったり、最後までセルクルとして残るので洗わなければなりません。しかしアルミで作れば、自在に設定した高さにすり切りで流すことで必ず同じ厚みのものができるし、使用後はゴミとして処分できます。効率的に、かつ間違いのないパーツを作るコツの一つです」。(植﨑氏)


写真A
写真B
写真C
  1. A. 0.3mm厚のアルミ板に、作りたい型の高さ(今回は2cm)の幅に印を付け、まずカッターで2回位なぞる。
  2. B. 机の角に沿わせて垂直に折り、一度戻す。再度垂直に折ると、切り込み部分の位置できれいにカットされる。
  3. C. 作りたい大きさのセルクルの周囲にアルミを巻き、テープで留めてセルクルをはずす。フィルムを敷いたテン板の上に置き、さらに周囲をテープでしっかり留める。
 

◆ 花芯を作る

写真A
写真B
写真C
写真D
  1. A. 調理用手袋の指の部分を切って、蛇口から水を入れて水風船に。周囲の水気を切りしずく型に整え、口を輪ゴムで留める。
  2. B. 溶かしたミルクチョコレートにくぐらせて、周囲にチョコレートの膜を作る。
  3. C. Bが固まらないうちにホワイトチョコレートにマーブル状に垂らして、さらに水風船をその中に漬けて引き上げる。マーブル模様の花芯の完成。
  4. D. 洗濯バサミで留めて吊るし、チョコレートが完全に固まったら輪ゴムを切って、水と風船を取り除く。
 

◆ 花や葉のパーツを作る

写真A
写真B
写真C
写真D
写真E
  1. A. 筒状のクッキーケースにフィルムを巻き、フィルムを敷いたテン板にのせ、横をテープで留めて固定する。
  2. B. 頂点から5mm位手前に、チョコレートを丸く絞る。自然に下に垂れ落ちることで、花びらの形に成形する。
  3. C. 同じリズムでチョコレートを絞ることで、同じ形・厚さの花びらができていく。2~3分間で90枚強の花びらが完成する。
  4. D. チョコレートが固まったら、筒の中のクッキーケースを抜く。花びらが一気にはがれ落ちて、パーツの完成。
  5. E. 下に垂れ落ちた部分をハサミでカットして、少量のチョコレートを付けながら、1枚ずつ花芯に接着する。
 

◆ 組み立てる

アメはパーツ同士を溶かしながら接着、チョコレートは少量塗って接着していくことから、「アメ細工は引き算、チョコレート細工は足し算」と植﨑氏。ある程度の大きさになるとパーツ自体の重量が大きくなるため、パーツにあらかじめくぼみを作っておき、のせたり差し込んだりすることで、短時間で無理なく接着できるようにしておく。今回の猫は、ゼラチンをアルコールで溶いたゼリーを吹き付けて、光沢を出している。

写真A
写真B
写真C
  1. A. チョコレートの土台の上に、幹や枝のパーツを組み立てる。チョコレートを接着剤代わりに使いながら、安定させる。
  2. B. コールドスプレーで固めながら接着する。手で押さえているとチョコレートが溶けてしまうため、パーツを差し込んですぐに手を離しても大丈夫な形に設計しておくことが、失敗をしないコツ。
  3. C. 短時間で一気に組み上げていく
 

月刊誌 世界の菓子PCGでは、「製菓技術ゼミナール」で取り上げた製菓を、豊富なプロセス写真と丁寧な解説で紹介しています。

PCGページ
レシピページ
書籍販売ページ
sigep
sigep
grandpatissier
cakepia